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低体重児出産と歯周病の関係
こんにちは、歯科衛生士の伊藤です。
今回は早産と歯周病の関係についてお話させていただきます。
早産(低体重児出産)とは、赤ちゃんが早すぎる時期にしかも体が小さすぎる状態で生まれてくることです。
そのような赤ちゃんには様々な病気にかかる危険性があるのです。きちんと呼吸できなかったり、脳に障害があったり、目がよく見えなかったり、そして早産をした女性は健常児を出産した女性に比べて歯周病にかかっている事が多かったのです。
歯周病が早産を誘発するメカニズムは次のように考えられています。
口の中に歯周病菌が増え、免疫のバランスが崩れると免疫を担当する細胞から血中に「サイトカイン」という情報伝達物質が出されます。このサイトカインが過剰に出ると炎症が起き、歯肉や歯骨などの組織を破壊する酵素が出やすくなり、歯周病が進みます。
ところが、妊婦の体内では血中サイトカイン濃度は出産のゴーサインとみなされるといいます。
サイトカイン濃度が高まると妊婦の子宮筋を収縮させる「スイッチ」が入ると考えられています。
妊婦が歯周病の場合、正常産以前(妊娠37週未満)に血中サイトカイン濃度が高まるため子宮筋を収縮させるスイッチが間違って入ってしまい、十分に成長していない状態で赤ちゃんを産む早産につながるといいます。
中等度や重度の歯周病に罹患した母体はそうでない母体よりも低体重児を出産するリスクが7倍以上も高くなり、歯周病に罹患していなければ、早産の18%が妨げることになるということです。
妊娠中はホルモンのバランスの関係で歯肉が腫れやすかったりもするので、安定期に歯科医院での検診をお勧めします。