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X線写真撮影による被ばく線量について
歯科医師の市川です。
今回は、x線写真撮影による被ばく線量についてお話します。
今月11日で東日本大震災から2年が経ちました。
しかし今も、福島の原発事故による被害に
多くの方々が苦しんでおられます。
そして、この事故を境に、放射線被爆について
関心を持たれた方も多いと思います。
歯科医院でも、診断に欠かせない道具として
X線写真を活用していますが、その被ばく線量について
気にされる方もいらっしゃることと思います。
では、実際の被爆線量はどれくらいの量なのでしょうか。
人は日々の生活で、常に自然放射線に被ばくしています。
自然放射線とは、大気中の放射線物質、空気中の放射線物質、
体内の放射線物質、および宇宙線の合計値を表します。
世界平均の一人当たりの自然放射線被ばく量は、
年間約2.4ミリシーベルト(mSv)で、
それによる健康被害は皆無とされています。
ちなみに、東京~ニューヨーク間を飛行機で往復すると
0.19(mSv)の被ばくを受けるというデータもあります。
(高所では宇宙線が増加するため)
パイロットやキャビンアテンダントの方々に、
目立って放射線による健康被害がないことからも、
自然放射線による被ばくを取り立てて心配する必要はないようです。
それに比べて、歯科医院で撮影するx線写真の被爆量は
どのくらいの量でしょうか。
お口の中全体を一度で撮影できる「パノラマX線撮影」では
0.01(mSv)、当院で昨年夏から撮影が可能となりました
「歯科用CT撮影」では0.2(mSv)と、
自然放射線と比較しても健康被害を招く恐れは
低いことがお分かり頂けると思います。
X線写真撮影は、多少なりとも被ばくが起こるという事は
決して忘れてはいけませんが、適切に活用すれば、
患者様により良い医療を提供するものであることは間違いないでしょう。
私共もX線写真を適切に活用し、より適切な診断と処置を心がけて参ります。
X線撮影に関しましてご不明な点がございましたら、遠慮なくご質問下さい。
※被ばく線量に関するデータは
全国歯科大学・歯学部附属病院診療放射線技師連絡協議会の
資料を参考にしています。